こんなクソみたいな恋、記憶をなくしても始まる恋
2026年8月7日、Netflixで全世界配信された**『こんなクソみたいな恋』(原題:이런 엿같은 사랑、英題:Our Sticky Love)は、配信からわずか1日でNetflixグローバルTOP10入りし、その後1位まで駆け上がった話題作です。主演はチョン・ヘインとハヨン**、演出は『マイ・デーモン』『ブラームスは好きですか?』のキム・ジャンハン監督が手がけました。「ラブコメにノワールをひとさじ加えた作品」と評され、88歳のベテラン俳優キム・ヨンオクからホ・ソンテまで脇を固めるキャストも話題になりました。全12話が一挙配信されたことも、一気見ブームを後押しした要因です。
物語は、事件を追う中で記憶を失った敏腕検事コ・ウンセ(ハヨン)の前に、元やくざのボクシングコーチチャン・テハ(チョン・ヘイン)が「恋人だ」と名乗り出て現れるところから始まります。半信半疑のまま同居生活を始めたウンセは次第にテハに心を開いていきますが、自分がなぜ見知らぬ田舎町「クジングン」で目を覚ましたのかという謎が深まるにつれ、二人の関係は揺らいでいきます。
撮影の裏側:本物の田舎町が「クジングン」に
こんなクソみたいな恋 ロケ地の中でも最も印象的なのが、劇中の架空の地名「クジングン」のモデルとなった醴泉(イェチョン)クムダンシル村です。慶尚北道醴泉郡龍門面に位置するこの村は、朝鮮時代の予言書『鄭鑑録』に登場する「十勝地」の一つで、朝鮮王朝を開いた太祖・李成桂が都と定めることを検討したという伝説も残ります。今も700世帯ほどが実際に暮らす生きた農村で、7kmにも及ぶ石垣の路地と伝統家屋がそのまま残っているため、セットを組まなくても劇中の「飴村」の情緒を完璧に再現できました。撮影中、村の掲示板には住民から「明日撮影ありますか?」という書き込みがあったほど、村全体が撮影に協力的だったといいます。
テハが営むボクシングジムのシーンは、同じ村内にあるカトリック安東教区龍門公所で撮影されました。1960年に設立されたこの小さな公所は普段はミサが行われる祈りの場ですが、劇中ではリングとサンドバッグを備えたジムに完全に変身しています。村のセットと徒歩圏内にあるため、制作陣は1日のスケジュールで両方の撮影を効率よくこなせたそうです。
ソウルのシーンの一部は成均館大学 人文社会科学キャンパス、その中でも退渓人文館前の屋外広場で撮影されました。学生の少ない週末を選んで撮影し、雨のシーンのためにわざわざ散水車を動員するなど、細部までこだわった演出が話題になりました。
ロケ地旅行ガイド:ソウルから醴泉まで
クムダンシル村は四季を通じて魅力的ですが、石垣の間から桜や紅葉が顔をのぞかせる春・秋に訪れると、ドラマの雰囲気をより感じられます。醴泉バスターミナルから龍門面行きの村営バスに乗り、パンドゥルル停留所で下車すれば、徒歩約15分で村の入口に到着します。車の場合は中央高速道路の醴泉ICから地方道928号線に乗り、クムゴク川沿いに北西へ約6km進みます。
おすすめのコースは「クムダンシル村の石垣路地 → 龍門公所(ジムのロケ地) → 草澗亭」で、半日あればゆったり回れます。村は実際の住民が生活する空間なので、静かに、マナーを守って見学しましょう。ソウルのロケ地である成均館大学は地下鉄4号線恵化(ヘファ)駅4番出口から徒歩10分で、大学路(テハンノ)や成均館・文廟の見学と合わせて楽しめます。
日本からのアクセスも便利で、成田・関西・福岡などから仁川国際空港へは直行便で2~3時間ほど。ソウル市内から醴泉までは列車とバスを乗り継いで2時間半前後が目安です。ゴールデンウィークや秋の連休を利用して、ソウルの都心観光とクムダンシル村の田舎旅を組み合わせるプランがおすすめです。
ファンの聖地巡礼:十勝地の村を訪ねて
配信開始直後から、日本語SNSでも「#こんなクソみたいな恋」「#OurStickyLove」のハッシュタグとともに、クムダンシル村の石垣や藁葺き屋根の写真が急速に増えています。ドラマを見ていない旅行者からも「韓国の昔の風情がそのまま残る村」として口コミが広がり、訪問客が増加中です。龍門公所前でテハとウンセのランニングシーンを再現するファンの投稿も見られ、成均館大学 退渓人文館前の階段は雨のシーンの撮影地として、新たなフォトスポットになっています。静かな農村だったクムダンシル村が急に注目を浴びたことで、醴泉郡では住民の生活空間への配慮を呼びかける動きも見られます。
グルメ・観光スポット
クムダンシル村の近くには、40年の歴史を誇る龍宮スンデ(韓国三大スンデの一つ)を味わえる食堂があります。村から車で20分ほどの回龍浦と三江酒幕村は、洛東江が作り出した美しい蛇行地形で知られ、醴泉旅行に組み込みやすいスポットです。草澗亭周辺の渓谷沿いの散策路もおすすめ。宿泊はクムダンシル村内の韓屋体験館か、醴泉邑内の温泉ホテルが便利です。
ソウル・成均館大学周辺では、大学路のカフェや小劇場文化を楽しめるほか、マロニエ公園や梨花洞壁画村も徒歩圏内です。鍾路区一帯にはアゴダなどで簡単に予約できるホテルが多く、ソウル市内観光とロケ地巡りを組み合わせた旅程を組みやすいのも魅力です。

